この記事では、児童発達支援・放課後等デイサービスでの面接でよく聞かれる「質問」と「回答例」、さらに面接官の「質問の意図」まで、実際に療育施設で面接を行っている面接官(児童発達支援管理責任者)が分かりやすくお伝えします!
「もうすぐ面接があり、不安…」「児童発達支援・放課後等デイサービスの面接は初めてだけど、どんなことを聞かれるんだろう…?」
面接を前に、このように不安な気持ちでいる方も多いかと思います。
面接で焦らないためにできる対策があるなら、面接の前に準備しておきたいですよね。
そのような方は、事前に「面接でよく聞かれる質問」に対し、自分なりの答えを考えておくことで緊張せずに落ち着いて当日の面接に臨むことができるのでオススメです。
この記事を参考に、児童発達支援・放課後等デイサービスでの面接への備えを万全にしていきましょう!
自己紹介を求める質問は、第一印象や人物像を知るため、またアイスブレイクの目的でされる ことが多いです。
面接スタート時の自己紹介では、内容よりも印象が大切です。明るく笑顔で”ハキハキ”とした口調を意識しましょう。
さらに、相手の目をしっかり見て話すのもポイントです。
人の印象は出会って数秒で決まるとされているため、ここでよい印象を与えられると採用の可能性がかなり高まります。自己紹介を求められたときは、名前と経歴を簡潔に答えましょう。
経歴・経験も簡単に盛り込むことで面接官へのアピールになりますが、自己PRと区別するため、ここでは簡単に紹介する程度にとどめるのが良いです。
「●● ●●と申します。これまで、〇〇市の放課後等デイサービスで5年勤めておりました。これまでの経験を活かし、一日でも早く即戦力として活躍していきたいと思っております。本日はよろしくお願いします。」
志望動機は、施設に対してどれだけの熱意をもってきてくれているのかを確認する質問です。
ほぼ100%聞かれる質問ですので、スラスラと回答できるようにしておきましょう。
志望動機はありきたりの回答ではなく、自分の経験や考えから、自分にしか答えられない理由を伝えることがポイントとなります。
志望する施設への熱意が伝われば、「これだけの想いで来てくれているのだから、きっと長く働いて貢献してくれるだろう」と思ってもらえます。
また、この質問への回答では、熱意だけでなく、あなただけの療育観や療育への想いを伝えられるよう意識してみてください。
具体的には、企業・施設の理念に共感を示したうえで、経験や自分の療育への考えを伝えるようにするとよいです。
なお、履歴書に志望理由を記載している場合は、基本的には履歴書の内容と大きくずれないような回答を意識すると良いです。
「私はこれまで別の放課後等デイサービスで勤務してきました。その中で、子どもたちの成長を支え、子どもたちの笑顔を見ることが私のやりがいとなっていました。今回、御社の放課後等デイサービスで働くことを希望した理由は、御社が提供する●●という独自の療育プログラムに興味、共感を抱いているからです。」
「これまで事務職として働いてきましたが、子どもたちの成長を支える仕事ができたらな、とずっと思い続けてきました。ボランティア活動を通じて、放課後等デイサービスの重要性とそのやりがいを実感し、子どもたちに直接関わる仕事に転職したいと強く思うようになりました。御社の支援方針や子どもたちへの丁寧なアプローチに共感し、御社を志望いたしました。新しい環境で挑戦する意欲と学び続ける姿勢を持って、貴社のチームの一員として貢献したいです。」
こちらの質問では、療育観や考え方、仕事に対する姿勢をみています。
自分なりに仕事を行う中で一番大切だと思うことに加えて、具体的にどんな行動を取るようにしているかを伝えるといいでしょう。
「保育士として保育園で勤めていた際に大切にしていたのは、『子どもの心に寄り添うこと』です。乳児期・幼児期に受ける大人からの限りない愛情が、自分自身を大切にし、周りを大切にすることに繋がっていくと私は考えています。保育園はその人間関係の基礎をつくる大切な場所なので、否定や押しつけをせず、子どもたち一人ひとりの存在を肯定し、それぞれの心に寄り添うことを大切に保育をしてきました。」
長所・短所を聞く質問は、保育士としての適性や人間性を見極めたいという意図があります。
また、短所を聞く理由は「自己分析ができているか?」を確認する狙いもあります。
長所については、単なる特技や自慢ではなく、保育士の適性に結びつくような性格面での長所を話すといいでしょう。
短所に関しては、その短所を克服するために日頃心がけていること、具体的な行動も併せて伝えることができると、内定を勝ち取れる可能性が非常に上がります。
私の長所は、責任感だと考えています。以前の職場で新卒で勤務していた際、初めてイベントの運営を任され、どう進めていいか困ってしまい、準備の大変さに苦労したことがあります。
ただ、一度任された以上投げ出すという考えはなく、先輩にも助言をいただきながら、イベントの準備をやり切りました。子どもたちからも「楽しかった!」という声をもらい、やりがいになったとも感じていますし、その時感じた責任感を大切にして今後も仕事に取り組みたいと考えています。
逆に私の短所は計画的に物事を進めるのが苦手なことです。前職では書類の作成に時間がかかってしまい、想定していた時間以上に作業をすることになり、同僚にも迷惑をかけてしまったことがありました。
現在は、計画的に物事に取り組めるように一つ一つの業務時間を区切り、優先順位をつけて取り組むようにしています。
他の施設にも志望しているかを聞く場合、施設への熱意を確認したいというねらいがあります。
「どこでもいいから採用されたい」と考える人材よりも「この施設だから志望している」という熱意ある人材を採用したいと考えるのが当然です。
また、内定を出したとして、受諾してくれる可能性はどのくらいあるのかを確かめておきたいというのも面接官の本音です。
他にも応募している施設がある場合は正直に答えて問題ないです。むしろ後から他の施設も受けていたと思われてしまうほうが、良くありません。
ただしポイントとしては、「この施設が第一志望である」と伝えるようにしましょう。
「他にも応募させていただいた施設はありますが、私としてはこちらを第一志望と考えています。御社の療育方針は他にはなく、御社であれば私の理想の療育が行えると思っています。」
転職の場合、退職理由は面接官として最も気になるポイントです。
長く働き続けられる人材かを見極めたいため、面接官はこちらの質問をします。
もしも性格面や考え方に問題があり職場を変えているような人であれば、採用してもまたすぐに辞めてしまうリスクがあるためです。
安心して採用してもらうためには、転職理由がただの不満として伝わらないよう、ポジティブに言い換えることが重要です。
そのうえで、客観的に「その理由なら続けるのは難しかったよね」「うちでは同じ状況になることはなさそうだな」と思ってもらえるとベストです。
以下によくある転職理由の言い換え例をいくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。
前職では、多くの子どもたちの成長を支える仕事に大変やりがいを感じていましたが、職場内の人間関係にいくつかの課題がありました。具体的には、一部のスタッフとの間でコミュニケーションが十分に取れず、意思疎通が円滑でない状況が続きました。そのため、より良いコミュニケーションが取れ、もっと子どもたちに向き合える環境で働きたいと思い、前職を退職いたしました。貴社の風通しの良い職場環境や、職員の方々のチームワークに魅力を感じており、貴社を志望いたしました。」
転職を希望する理由は、前職では能力に応じた評価制度がなかったことです。行事やイベントを多く担当したとしても、全員一律の昇給でした。私自身は達成感や自分の成長としてのやりがいは感じていたのですが、給料を含めて施設からの評価やフィードバックはいただけないという状況でした。その点、御社では資格や能力を評価していただける制度が設けられており、自分自身も周囲の職員もより意欲をもって働き続けられると感じました。
前職を退職した理由は、持病による体調が悪化したためです。毎月60時間以上の残業に加えて持ち帰り仕事も重なり、睡眠不足が続いたことがきっかけでした。現在は約3か月間の療養を経て、心身共にしっかり回復しております。医師からも問題なく働けると診断をいただいています。自分の体力を過信していた部分もあったと思いますので、以降は生活習慣を見直すようになり、今は自己管理やストレス管理も含めて徹底しております。